こんばんは、みりんです。
秋らしく、とても過ごしやすい季節になりましたね。
今回は私が4年前から愛読している、筑摩書房のPR誌「ちくま」についてお話していきます。
「ちくま」は老舗出版社である筑摩書房が毎月刊行している小冊子のタイトルです。同社が出版した書籍に対する書評(各界の著名人だったり、あるいは本人が執筆されることも多々。)を始め、「ちくま」でしか読むことのできないオリジナルの連載小説・エッセイ・コラムなど、毎冊15~20個ほどのコンテンツが掲載されています。一つ一つの記事は、見開き1ページで完結するものが多く、最大でも6ページ程度(今まで見た感じ、6ページが最大のよう)。個人的には、すき間時間でも気楽に読める構成になっていると感じます。
ちなみに現時点でデジタル版はなく、紙媒体のみの取り扱いのようです。
購読料は年間¥1,000(税込)。申し込み方法は筑摩書房の公式サイトに記載のある通り、 振込用紙に住所などの情報を記入し、郵便局にて任意の年数分の購読料を振り込む流れです。
振込用紙は見本誌を取り寄せた際同封されているものを使うか、電話やFAXで対応もしてもらえるようです。調べたところ、Fujisan.co.jpのサイトでも申し込み可能なよう。当時Fujisan.co.jpの存在を知らなかったので、私は前者の方法で最初はまず1年分契約しました。
(オンライン決済が当たり前のこのご時世、振込用紙で振り込むというアナログなフローが正直手間だな…と感じつつ、なんとなく筑摩書房っぽいというか、渋くて良いな…と思った記憶が。)
「ちくま」を知ったきっかけ
見本誌を始めて取り寄せたのが2018年。娘を出産し、育児休暇真っ最中の年でした。
休職してから日々のニュースに随分と疎くなってしまい、すきま時間はスマホ、人と話すのもほぼ夫だけ、という日々が続く中で、ある日Twitterで知人がちくまを紹介していたのを見てビビっときたのがきっかけでした。
その投稿には詳しく内容が書かれていたわけではありませんが、挿絵に惹かれたことと、スマホではない媒体で何かを読みたい…という衝動に駆られた記憶があります。
「ちくま」における書評
かくして定期購読を始めたわけですが、それに至った大きな理由の一つとして、紹介される書籍がおもしろいほど毎度気になるものばかりなのです。
PR(販売促進)というと何となく身構えてしまうイメージですが、書評そのものが一読物、一作品としておもしろい。さすが文章のプロ、といったところ。
私はこの「ちくま」の書評を読んで、恐らく初めて「書評とは何か」ということを身をもって知ることが出来たと思っています。
タイトルや表紙だけではイメージが湧きにくかったり、難しそうだと感じたり、興味の端にも引っかからなさそうな書籍でも、A5見開き1ページに書かれた文章を読むだけで、書籍へのイマジネーションが膨らみます。
例えば最近でいうと、2021年6月号に紹介されていた「16歳の相対性理論」。書籍を監修された物理学者の松浦壮さん自ら書評を執筆されています。夏休み前、なんだか宇宙に思いを馳せる時期(私だけでしょうか笑)に「ちくま」でこちらの書評を拝見し、今まで知らなかったアインシュタインの感性に少し触れて、相対性理論についてほぼ何も分からない私でも何だかおもしろそうだと思い実際に書籍を読んでみた、ということがありました。(この話はまた、いずれ)
また、偶然か必然か、今年9月の初頭に発表された菅内閣が総辞職するというニュースと時を同じくして、「ちくま」2021年9月号には民主党政権時代の総理大臣を務めた一人である、管直人さん自筆の書籍が本人による書評で紹介されていました。「民主党政権 未完の日本改革」―今後衆議院解散の可能性も十分ある中で、改めて民主党政権時代がどうだったのかを振り返るための一つの方法として、この書籍も今後読みたいと思っているうちの一冊です。
「ちくま」オリジナルの連載・コラム
10前後の作品が並ぶ、こちらのコンテンツも大ファンです。「ちくま」の中でずっと連載をもっていらっしゃるエッセイスト・小説家の方もいますし、たまに飛び入りで音楽家など、文章を書くことを生業としない方が執筆されることも…(これが絶妙で、「あ、この方文章を書くのまで上手なんだ」と驚くこと多々。)
こちらを読んで執筆者の文章表現に興味を持ち、「この方の他の書籍を読んでみたい!」という気持ちになったこともしばしば。
いっとき私の周りの子育て世代の中で話題になった書籍「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の著者、ブレイディみかこさんは、「ちくま」の連載で知っていました。竹を割ったような性格の、聡明でユニークな文章表現にいつもわくわくさせてもらいっぱなし。書籍が出たと知って、すぐ手にとって読みました。
書評が作品を知るきっかけになるとしたら、こちらのコンテンツは「人」を知るきっかけになるセクションなのかなと思います。
私の暮らしになじむ「ちくま」
「ちくま」のサイズはA5サイズで、厚さも5mmほど。片手で持って読めます。無線綴じでしっかりと製本されていて、ページの質感もなんだかめくりやすくて絶妙。荷物としてかさばらないのでバッグに入れることも多く、外出先で気軽に読める点もお気に入りです。
私の場合、「ちくま」がポストに届いていたらすぐ開封し、何も考えずにまず通勤バッグにインします(笑)そして、電車の中やランチタイムに少しずつ読みます。休日家族でおでかけする時も、読める時間がありそうな時はショルダーバッグに忍ばせます。まとめて一気に読むことはほとんどありません。
これ一冊で、読みたい本が見つかってわくわくしたり、時事ネタを考察するきっかけになったり、ページをめくるとエッセイにほっこりしたり、今まで深く考えたことの無かった話題に着目するようになって空想に耽ってみたり…
何かと忙しない毎日の中で、「ちくま」を読む時間は私にとって癒やしの時間であり、私が私であるために必要な時間を提供してくれていると感じます。(やや大げさかもしれませんが笑)
最初1年の契約でしたが、それ以降はすんなりと5年契約に。これからも読み続けたいと思っています。
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